日本国は、いくつかの国と「社会保障協定」(international social security agreement)を締結してます(下表参照)。
「社会保障協定」を締結している国が国籍である人は、
二重加入の防止が行われます。つまり、本人の条件に応じて、本国あるいは日本のどちらかの社会保障制度にだけ加入して、両国の年金の負担を免れる制度が作られています。
さらに、「社会保障協定」の内容次第では、
年金加入期間の通算措置が行われます。年金加入期間の通算措置が行われれば、日本で働いて年金を納めた期間を、本国に帰国した後に持ち帰って、本国で納めた年金の期間と通算する制度が、用意されています。逆もまたそうです(*)。
(*) 注意:このことは、日本の年金と協定諸国の年金がひとまとめに支払われることを意味しません。年金加入期間の通算措置は、日本の年金に加入した外国人に、日本の老齢年金の受給資格を与える措置に過ぎません。年金加入期間の通算措置により受給資格を得た外国人は、65歳以降に日本政府に申請すれば、日本の年金制度に拠出した金額に応じて日本から年金が支給されます。
以上の「社会保障協定」の内容は、国によってそれぞれ異なっています。あなたの本国の「社会保障協定」の内容を、よく理解しておいてください。しかし、「社会保障協定」が締結されている国と、年金加入期間の通算措置が「協定」の中に含まれているかどうかの一覧は、2017年8月現在、下の表のとおりです。
社会保障協定の内容(2023年5月現在)
(日本年金機構ホームページより作成)
協定相手国 | 年金加入期間の通算措置 |
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ドイツ | あり |
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イギリス | なし |
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韓国 | なし |
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アメリカ | あり |
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ベルギー | あり |
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フランス | あり |
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カナダ | あり |
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オーストラリア | あり |
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オランダ | あり |
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チェコ | あり |
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スペイン | あり |
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アイルランド | あり |
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ブラジル | あり |
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スイス | あり |
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ハンガリー | あり |
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インド | あり |
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ルクセンブルク | あり |
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フィリピン | あり |
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スロバキア | あり |
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中華人民共和国 | なし |
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フィンランド | あり |
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スウェーデン | あり |
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2023年5月現在、上記以外の国の状況については、以下のとおりです:
・イタリアは、協定が締結されて発効準備中です。ただイタリアの発効予定の協定には上の「年金加入期間の通算措置」は含まれません。
各国との協定の詳しい内容については、こちらのページを参照してください。